宮部さんの中でもちょっと珍しい超能力を題材にした作品です。
主人公はちょっと過去がある雑誌記者の高坂。
台風の中に出会う少年、稲村慎司との出会いによって、
不思議な体験に巻き込まれるお話です。
これを読むと、超能力って実在するのかって思います。
まあ、今は超能力よりマジックのほうがメジャーになってしまったので、
超能力番組とか減ってますよね。
慎司という人物を調べていくうちに、平行していた事件に巻き込まれます。
また慎司の友達の直也、超能力があるために苦悩する思いが考えさせられます。
現代の少年たちも、超能力がないとはいえ、同じような思いに悩んでいるのでは。
そして高坂が出会う聴覚障害の女性の出現により、
その苦悩する重い話に、そっと安心という花を咲かせてくれます。
最後は、思ったとおりになりましたが、泣けますね。
やるせなさが残るところもありましたが泣けます。
破滅的な要素も多い中、主人公高坂と同僚の掛け合いがとても面白いです。
思わず読みながら喫茶店で吹き出してしまいました・・・。