この本の著者はかの有名な『慟哭』を書いた方です。
慟哭が面白かったので、読んでみようと思ったものです。
(ネタバレあり)
主人公は、気が弱く頼りなく会社もリストラされたばかり。
そして奥さんが突然書置きを残していなくなる。
頼りない主人公だけど、奥さんを思う気持ちは多大であり、
探すことを決意する。
そして、どんどん裏の闇の世界へと巻き込まれていく。
そんなお話です。
うーん、どう評価していいのかな。
サクサク読めます。
話がつながったときは、『あぁなるほど』って感じです。
ただ、主人公の親友がとてもいい人なのに殺されてしまったり、
電話帳で家を探すにしても、最近は非掲載が多いのでは?
と、腑に落ちない思いはします。
そして、、、
何よりも、、、、
後味が悪い・・・。
私は、バッドエンドってダメなんです・・・。
ハッピーエンドとはいかなくても、スッキリするものがいい。
でもこの話って、、、絶望しか残らないなぁ。。。
話の作り方や、終わり方は好きなんです。
主人公が過去の楽しく語っていた思い出で終わるので。。。
でも、結局主人公は敵を殺してしまうし、
自殺を選んでしまうだろうし・・・。
やるせなさがたくさん残るお話でした。
でも、グイグイ読ませてくれます。
ハードボイルドが好きな人にはお勧めです。
また、普通の頼りない主人公が行動的になっていく様も面白いです。
でも、、、
これは最後がいやだなーって思う一冊でした。
貫井さんの書き方、表現はとても好きなので、
また他の本にチャレンジしたいと思います。